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「ヒロっち、もう質問タイムは終わりでいいよね? あたし早く中に入りたいよー!」
「あ、うん。そう……だな」
怜衣乃に急かされて、俺は本来の目的を思い出した。
あぁそうだ。
ここには決闘騎士団のメンバーたちと顔を合わせる為に来たんだった。
都市長が信用できる人かどうかは、今後も注意するって事にしておこう。
「では、ご案内致します」
俺たち2人の様子を感じ取ったからか、富片さんは表情を変えて、両開きのドアの片方を開けてくれた。
「よし、僕は《超次元バイス・ホール》の効果で《時空の戦猫シンカイヤヌス》と《時空の喧嘩屋キル》をバトルゾーンに!」
「私は《超次元ミカド・ホール》で《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》を出します!」
「《サイバー・N・ワールド》を召喚。墓地と手札をリセットだ!」
そこは今までにテレビの中でしか見たことのないようなハイレベルな決闘が、大広間の各所で行われていた。
けれど彼らはプロでもアマチュアの決闘者でもなく、俺と同じ高校生だ。
「スゲェ……」
決闘都市で住を据えてから2年ちょっとではあるが、こんだけ激しくてスゴい決闘を生で見るのは初めてだった。
そんな感じで呆然とその光景を見ていた俺の横で、団長の雛岸さんが大声を上げた。
「みんなー、新入生が来たから決闘を中断して集まれー!」
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