頭角のドラゴン

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その後はトントン拍子に話が進み、俺は雛岸さんと対立する形で決闘台に立った。 富片さんや他の決闘騎士団の方々も、雛岸さんなら文句がないみたいだ。 「にしても、いきなり決闘騎士団長と決闘って……ハードル高いよなぁ」 俺のそんな小さな呟きに反応したのは、相棒のアックスだ。 『だからこそ、良いんじゃないか』 「……ま、確かにそうだよな」 決闘騎士団最強ってのには腰は引けるが、強いヤツと戦えるってのは嬉しい事だ。 俺は気合いを入れてから、デッキを決闘台にセットした。 「雛岸さん、よろしくお願いします!」 「うん、こちらこそ。全力でぶつかり合おう!」 雛岸さんもデッキをセットして、お互い同時にカードを5枚引き、宣言した。 「「決闘っ!!」」 先攻は俺だけど、動き始めたのは雛岸さんから。 「《コッコ・ギルピア》を召喚するよ」 コッコ・ギルピア 自然文明/2マナ/ファイアー・バード/エイリアン/1000 自分のドラゴンの召喚コストを1少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。 雛岸さんが召喚したのは、《コッコ・ルピア》が一回り小さくなった鳥だ。 軽減能力が弱くなった代わりに、コストも軽くなっている。 その違いは決して弱くなったわけでなく、差別化ができたと言うべきだろう。 ひとまずここで判明したのは、雛岸さんはドラゴンデッキである可能性が極めて高いと言うことだ。 「俺のターンです。ドロー!」 俺はそんな考察をしつつ、カードをドローした。 ……この手札で、雛岸さんが召喚し続けるであろうファイアー・バードを除去する手段はない。 (こっちも自分のデッキを回す為の準備って所だな) 俺はそう考え、手札のクリーチャーを召喚した。 「《アクア・ハルカス》を召喚。効果で1枚ドローします」 アクア・ハルカス 水文明/3マナ/リキッド・ピープル/2000 このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、カードを1枚引いてもよい。
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