頭角のドラゴン

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「《ヒラメキ・プログラム》なんて難しいカードをこうも使いこなすとは……やはり強いね」 俺のプレイングを見て、雛岸さんがうんうんと頷いた。 それからカードをドローした。 「僕のターン、《ドンドン吸い込むナウ》を詠唱。デッキから5枚を確認し、《次元流の豪力》を手札に加える」 ドンドン吸い込むナウ 水文明/4マナ/呪文 S・トリガー 自分の山札の上から5枚を見る。そのうちの1枚を相手に見せて手札に加え、残りを好きな順序で山札の一番下に置く。このようにして見せたカードが火または自然のカードであれば、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。 「その後、《エボリューター》を手札に戻させる」 「くっ……」 雛岸さんがバウンス先を指定した直後、《エボリューター》が決闘台から弾け飛んでしまった。 俺はそれをキャッチし、手札に戻す。 『比較的広い範囲のサーチにバウンス能力付きか……強力なカードだな』 「あ、ああ……」 俺はアックスの言葉に頷く。 さすがは決闘騎士団のリーダー。 今が展開勝負だと分かっているからこそ、俺の展開を遅延させた。 ……隙がない。 「けど、だからこそ───燃えるってもんだ!!」 そこに不安や憂いはなかった。 俺は意気込んで、デッキトップを勢い良く掴み横に滑らせた。 「俺のターン!!」 ドローカードを確認する。 ……《超次元エナジー・ホール》か。 良いタイミングだ、と思い俺はそのままカードを詠唱させた。 「《超次元エナジー・ホール》! カードを1枚ドローして、《時空のスター・G・ホーガン》をバトルゾーンに!」 俺はその宣言をしながら、横目で光葉の方向を見た。 光葉は、スゴく真剣な表情で───尚且つ嬉しそうに、見てくれていた。 それが分かると、ちょっと照れ臭く感じてしまった。 超次元エナジー・ホール 水文明/5マナ/呪文 カードを1枚引く。 次のうちいずれかひとつを選ぶ。 ●自分の超次元ゾーンから好きな数のサイキック・クリーチャーをコストの合計が5以下になるように選び、バトルゾーンに出す。 ●コスト7以下の水のサイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
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