132人が本棚に入れています
本棚に追加
/414ページ
黒ずんだ髪を、ただ流している俺とは逆に少しツンツンした髪型で、
少し着崩している俺と違い、Yシャツとズボンだけの制服をしっかりと着ている。
こいつの名前は、影井夏騎。
中学校2年の時に編入した学校で同じクラスで、決闘都市で初めて出来た友人───いや、親友かな。
正直、俺よりカッコいいのに、浮いた噂は全く無い。
少し謎のあるヤツでもある。
「いよっす!」
相変わらずの爽やかスマイルで挨拶してくる夏騎。
だが、口元が何だかニヤついている。
な、何だ……?
不気味に疑問を感じたが、その理由はすぐに把握できた。
「今日も仲良く菜季ちゃんと登校かよ。幼馴染みだからって仲良すぎだっての、本当は付き合ってんじゃないのか~?」
……そういう事か。
俺は頬が熱くなるのを感じながら、慌ててそれを否定した。
「いやいや、んな訳ねぇっての! そもそも、俺みたいなのが光葉に釣り合うわけが無いだろうが!」
「一緒に登校してて、その言葉はかなり説得力に欠けるぞー?」
否定はしたものの、夏騎はすぐに信じてくれない。
結局俺は、教室に到着するまで夏騎による言及が続いたのだった……。
最初のコメントを投稿しよう!