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椋葉さんは一人で関門の方へ行き、担当の人と何やら交渉をしていた。 するとすぐに関門の人は笑顔で頷き、機械を操作し始めた。 それと同時に椋葉さんが相変わらずの静かな佇まいで戻ってきた。 「私は『外』在住で出入りが頻繁だから、あの人とは仲が良いのよ。だから少し大目に見てもらったわよ」 「椋葉さん……ありがとうございます」 総合PTA会長が決闘都市の中でもかなりの地位であるという事を然程意識していなかった俺は、椋葉さんの気遣いと凄さに驚きつつもお礼をした。 「それじゃあ、私はそろそろ会議に向かわないとだから、またね大輝くん」 「はい!」 椋葉さんは軽くお辞儀をすると、そのまま都市の中心部の方へと歩き始めた。 その直後、再び顔だけをこちらに向けて椋葉さんは言ってきた。 「たまには大きな休みに帰ってきてね。いつだって歓迎してるのよ?」 「あ……」 俺はその言葉に戸惑いつつも何か返そうとしたのだが、椋葉さんはニコリと笑うとすぐに顔を戻して歩いて行ってしまった。
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