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椋葉さんが去った後、俺たちは関門をくぐって決闘都市の『外』に出る事ができた。
「……久しぶりだな」
視界に広がる景色を見ながら、俺は呟いた。
決闘都市に来てから、俺は一度も外に出なかった。
だから、この光景はおよそ2年ぶりなんだ。
「んー! 風が気持ちいーねっ」
壁に囲まれた決闘都市内では滅多にない強めの風を浴びながら、怜衣乃が大きく伸びをした。
確かにとても心地よい風邪だな、と俺も共感した。
……そんな時、
「あっ」
怜衣乃の小さな叫びと同時に、彼女のスカートが大きくめくれ上がり、パステルカラーの三角形の布地……つまりはパンツが丸見えになってしまっていた。
まぁ……そこに視線が釘付けになってしまうのは、思春期の男子として仕方のない事だと思うんだ。
「れ、怜衣乃ちゃん! 押さえて押さえてぇ!!」
同じくスカートの友梨は顔を赤くしながら、めくれないように手で押さえて怜衣乃にお願いをしていた。
「別に見られて困るようじゃないし、そもそもヒロっちしかいないんだから大丈夫だって」
けれど怜衣乃は全く気にしてない様子で、腕を上に伸ばして楽しそうに笑っていた。
……横から小鶴の刺す様な視線がある為か、眼福だったとは素直に喜びづらかった。
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