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俺たちはベッドを囲むようにパイプ椅子にそれぞれ座った。
「えっと、何から話せばいい?」
夏騎がベッドで静かに横になっている少女の顔色を窺いながら聞いてきた。
怜衣乃と小鶴に視線を向けると、「頼んだ」という意思表示と思われる頷きを返してきた。
なので俺が夏騎に言った。
「そうだな……。じゃあ彼女の事と今までの経緯を教えてくれ」
「分かった」
夏騎は首を縦に振ると、説明を始めてくれた。
「こいつの名前は泣原絵那。俺たちと同い年だ。俺が絵那と出会ったのは──」
夏騎は懐かしむように視線を上方に向けながら、経緯を語った。
………………。
(夏騎視点)
これは三年前の話。
俺はふとした事で右足を脱臼してしまった為に、診察に来ていた。
本来なら当然、決闘都市内にある外科病院で済むハズだったんだが、臨時休業とかいう事になってしまったのでここに連れてこられたという訳だ。
「松葉杖って脇が痛いな……」
そう文句を呟き、俺は松葉杖をつきながら病院の出口へと向かった。
そんな時───
「ん、これは……」
廊下に落ちていた、一枚のカードを発見した。
俺は、裏になって置かれていたそのカードを拾い上げ、表面を見てみた。
「《暗黒皇デス・フェニックス》か……」
カードに名前なんて書く人はいないので、誰の落とし物か分かるハズもないか。
そう思い、そのカードを胸ポケットにしまった時、
「……どこに行ってしまったんでしょうか ……? 困りました……」
何かを探している、病人着を来ている黒髪の女の子の声が聞こえてきた。
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