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「あの……是非宜しければ、決闘都市のお話を聞かせて頂いても宜しいでしょうか?」 「ああ、俺で良ければ」 女の子にそう言われた俺は、快く承諾して女の子の病室へと向かった。 ………………。 女の子の病室は、6つ程の病人用ベッドのある集団部屋だった。 集団部屋と言っても、その部屋には他に誰も病人はいなかった。 女の子は、そこの一番窓側の所だった。 「どうぞ、こちらに腰をかけて下さい」 女の子は上機嫌に微笑みながら、ベッドのすぐそこにあったパイプ椅子を手で示した。 俺は従い、そこに腰を降ろした。 「まずは、自己紹介だよな。お互いに」 「あ、そうでしたっ! 忘れてましたスミマセン……」 俺のセリフを聞いて、ようやく気付いたらしい女の子は頭を下げてきた。 別にそこまで謝る事ないのに、丁寧だなと思いつつ、そうやって慌てる姿が何だか可愛らしかった。 「俺は影井夏騎だ」 「私は泣原絵那です」 俺たちはお互いに自分の名前を告げた。 その後、俺は自分の通っている学校の事を教えた。 ……大した範囲じゃないけど。絵那は楽しそうに相槌を打ってくれた。 「──まぁ、俺はそこまで優秀な学校の生徒じゃないから、話せるのはこれぐらいなわけで……」 「そんな事無いですよ、スッゴく楽しかったですっ」 絵那は、そう言って微笑んだ。 その笑顔には、ついつい引き寄せられてしまう魅力を感じてしまうのは、俺には当たり前の事になっていた。
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