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「い、いやいや! 俺が昼矢と決闘なんてあり得ない……っ!!」
あんまりにも驚いちまったもんだから、思わずそう叫んでしまう。
だが当然の事ながら、朱雀先生が取り合ってくれるハズもなく。
「んま、確かに昼矢君相手だと気が引けるのは分かるけど───
諦めて負けてきなさい♪」
そう言って微笑まれた。
全く嬉しくない笑顔だ……。
結局、俺はしぶしぶと校内にある決闘場へと向かったのだった。
……………。
決闘都市の学校には、校舎・体育館とは別に決闘専用の建物がある。
それが「決闘場」。
見た目は円形の体育館みたいで、下の舞台を囲むように席がズラリと並んでいる。
対戦者は、その舞台に設置された2つの台の前に立つ。
その台が、決闘都市で開発された「決闘台」だ。
台にはデュエマをする際に合わせた枠が書かれており、そこに正しくカードを設置すると、前の台と台の間の空間で立体映像化される……という仕組みだ。
俺は、決闘場の中の決闘台の前で、対戦相手を見つけた。
ダラリと流した黒い髪に、
人に恐怖と畏怖を与えんとする鋭い眼光、
そしてYシャツとズボンだけの制服を大きく隠す、前開きの黒いマント。
……昼矢、丈だ。
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