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「今日の相手はテメェか」
俺に気付いた昼矢が、嫌味でニヤつきながらデッキを腰のホルダーから取り出した。
「テメェも早く準備しな! ……どうせ、この学校じゃ俺に勝てるやつなんかいねェんだからよっ!」
昼矢の、その言葉に、俺はカチンときた。
その言葉にプライドが傷付いたわけではない。
「……お前は……」
頭が熱くなり、俺は無意識に拳を握っていた。
「お前は、デュエマが分かってねぇ!! デュエマは、みんなが平等に楽しむもんだ! そんな見下したのは、デュエマなんかじゃねぇっ!!」
俺は叫んでいた。
これが俺のデュエマをする信念、信条だったんだ。
昼矢は、それを侮辱した。
だから───俺は怒りを覚えてしまった。
急に怒鳴られた昼矢も、驚いている。
そして明らかに不快感を顕にした。
「この学校で、オレを怒鳴ったのはテメェが初めてだ。威勢は良いが、実力差を分かっちゃいねぇ。……一年坊、先輩がデュエマの厳しさを教えてやるよぉ!!」
「上等だ、来い!!」
俺は昼矢の挑発を受けて立つ。
このデュエマ……絶対に勝つ。
勝って見せる!!
辺りを見回してみても、ギャラリーである第4の全校生徒は、気付けばほぼ全員が観客席に座っていた。
先生方がいる方を見ても、何にも言ってこない事から察して、もう始めても問題は無さそうだ。
だから俺は───俺と昼矢は同時に宣言した。
「───デュエルッ!!」
決闘を開始する言葉を。
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