女帝の実力

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決闘都市には『順位』が存在する。 その決定においては決闘都市の中枢に存在するスーパーコンピュータが、決闘都市で発生する決闘を監視して決定しているのではと言われている。 しかし大半のものは自分の順位を知る事が出来ない。 何故なら、順位が発表される生徒は100位未満の優秀者のみだからだ。 だから自らの順位がハッキリしてる学生の事は『順位持ち(ナンバーズ)』と呼ばれている。 まぁその『順位持ち』は全てエリート校生で埋められている訳だが。 まぁ何故、俺がこんな話を始めたのかと言うと、 「すげぇ……8位か……」 『また一段と強くなったみたいだな』 今日、俺は発表された順位表を眺めていて、そこには以前「11位」だった光葉が、なんと「8位」にまで上昇していたからだ。 たたでさえ強者が募る中で3位も上昇したという事実に、一緒に見ていたアックスと共に驚嘆の声を上げる。 「これで光葉も『選出決闘者(オリジナルデュエリスト)』か」 順位が一桁になった『順位持ち(ナンバーズ)』は『選出決闘者(オリジナルデュエリスト)』と呼ばれているんだ。 詳しくは知らないが『選出決闘者(オリジナルデュエリスト)』は、ただでさえ優遇される『順位持ち(ナンバーズ)』よりも優遇されるのだと聞く。 『中等部の者が『選出決闘者(オリジナルデュエリスト)』になるのは初めてだったな。本当にスゴイな、光葉は』 「ああ」 アックスの言葉に俺も同感だった。 だが俺は光葉の驚くべき実力と才能に感心する一方…… 幼馴染みがどんどん自分より先に行ってしまっているという事実に、一抹の寂しさも感じていたのだった。
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