女帝の実力

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その後はゴールデンウィークと言う事もあり、デッキを調整する時間はタップリとあった。 光葉は忙しかったようで一緒にはいられなかったが、夏騎や小鶴、怜衣乃と一緒にカードショップに入り浸って決闘と調整に明け暮れ…… ついに、交流試合当日が訪れた! (光葉視点) アタシは選抜された生徒が集合しなきゃいけない時間より、少し早めに到着できるように寮を出て、会場へと向かった。 けど、直進じゃない。 (……ど、どうせ大輝の事だから、いつもの休日と同じ時間に目覚ましを設定しちゃってるのよね) なのでアタシは仕方なく……そう、仕方なく! 大輝のいる寮へと寄り道をしている訳。 世話が焼ける幼馴染みがいると苦労するわね! アタシは無意識の内に、歩行を軽いスキップに変えながら道を進んで行った。 ………………。 そして第4高校の男子寮、大輝のいる部屋に近付くと、その扉の前に数人立っているのを見つけた。 「おーい、ヒロっち~。いー加減起きた方がいいよ~?」 「あいつ、学校ないと起きれない典型的なパターンだからなぁ」 「困ったね……管理人さんの所に行って、海堂の部屋の合い鍵借りた方が良くないかな?」 あれは大輝のクラスメイトの人達だわ。 天佳怜衣乃……先輩に影井先輩、そして小鶴先輩ね。 (あの人たちも、大輝を起こしに……。影井先輩はともかく、アタシ以外の女子が……二人も……) 影井先輩の付き添いで来ているのは明らかなんだけど、今のアタシは大輝の相変わらずの女たらしぶりに怒りを感じて、そんな事に気付く余裕はなかった。
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