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「ま、そんな事は後にして、一先ず大輝を起こしに行きましょ」
アタシはあまり過去の話題を口にすべきではないと感じ、話題の軌道修正を図った。
けど、それを聞いた怜衣乃は何か不敵な笑みを浮かべてきたわ。
「ほっほー♪ って事はみっちゃん、ヒロっちの部屋の合い鍵を持ってるんだねぇ? やっぱり2人の関係は行くとこまで行ってるねぇ~」
「なっ!!?」
アタシは顔を急速に熱くしながら、怜衣乃の言葉に驚愕した。
「合い鍵……。うぅ、勝てる気がしない……」
「ま、ほぼ公認だしなぁ」
オマケに小鶴先輩と影井先輩まで、怜衣乃の言葉を鵜呑みにしている。
この合い鍵は、決闘都市に来た直後の大輝を心配したお母さんが、自分はあまり様子に見に行けないから代わりにという事で渡してきたもので、それ以上の意味は無いのに。
「は、母親が持たせただけよ! それだけなんだから!」
アタシは照れる顏を必死に隠しながら、バッグから鍵を取り出して鍵穴に差し込んだ。
後ろから「またまた~。けど、色んな事で使ってるんしょ?」とかからかう意図しか感じられない台詞が聞こえてきたけど、完全無視しておいたわ。
「おっじゃま~!」
「か、かか、海堂のお部屋……!」
アタシの後に続き、残りの3人も大輝の部屋に入ってきた。
大輝の部屋は掃除はされてるけど、所々に物が積まれたりと綺麗とは言い難いわね……。
まぁアタシはもう慣れたけど。
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