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あれから1時間くらい経ち、
出場者ではない夏騎と小鶴と別れた後に、俺と光葉と怜衣乃は決闘会場の控え室に到着した。
「菜季光葉、海堂大輝、天佳怜衣乃、到着致しました」
控え室の扉を開けた光葉は、既に俺ら以外全員揃っているメンバー達に向けて言った。
……俺ら、ほぼ集合時間ピッタリなんだけどな。
さすがエリート、時間前行動が当たり前って事か。
「これで、全員揃いましたね」
俺らがベンチに座ると同時に、都市長が話を始めた。
「皆さん、既に気付いていると思いますが……これは『決闘騎士団』の仕事です」
都市長の述べた事に、驚いた者はいないようだ。
まぁ決闘騎士団しかいない、この出場者を見渡せば簡単にわかることだしな。
「このイベントには都市外の重役が、大勢観戦に来るのです。決闘都市の決闘教育が、きちんと実を成しているのかを確認する為に」
その理由が本当なのかどうかは、俺には判断出来なかった。
俺以外の面子は、殆ど疑ってもいないようだが。
「貴方達は決闘騎士団。秘密裏ではありますが、決闘都市の頂点にいる先鋭なのです。その自覚を持ち、今日の決闘に挑んでください」
都市長が言葉をそう締めくくると、全員が分かっていたかのように立ち上がったので、俺と怜衣乃も慌てて立ち上がった。
「「「承知しました!!」」」
「「しょ、承知しました!」」
こういうこと、やるなら事前に教えてくれよ……。
慌てて後に続こうと必死になる中、俺はそんな事を思っていた。
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