女帝の実力

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「さぁて! ついに始まりました、決闘都市長主催の都市vs都市外による代表交流戦!!」 会場では、派手な衣装を着た男性司会者がマイクを片手に大声で盛り上げていた。 観客も大歓声でそれに応える。 『ふむ、良い熱気だな』 「そうだな」 選手入場口からそれを眺めていたアックスの声に、返事をする。 「こういう舞台で決闘するの、憧れてたからな……っ!」 そう口にしてみると、何だか無性に決闘がしたくなってきた。 何だかんだ、この状況を楽しめてるんだな俺。 「ええ、確かに。……私も思い出します─── 10年間無敗を誇った、あの伝説の決闘者が出てくる時のスタジアムを」 「──っ!!」 そんな時に、突如横から都市長が想起している表情で言ってきた。 普通なら特段、気にも留めないただのセリフだが…… 俺には心臓を止めかねないほどの強いショックが襲いかかってくる。 脳裏に、都市長の想起と恐らく同じ景色が映し出される。 大歓声のスタジアム、 そこに現れる真っ白なマントで身を包んだ無敗の王者、 ……そしてそれを母と共に眺める幼き俺の姿。 とても……とても幸せだった時の─── 今はもう無くなってしまった、淡い……淡い記憶だった。
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