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「大輝っ! 大丈夫!?」
青ざめていた俺に気付いた光葉が、駆け寄ってきてくれた。
「……あの事を思い出してたのね」
そしてすぐに察してくれる。
俺はその言葉に頷いた。
「大丈夫よ、大輝。アタシがいるわ……」
「光葉……」
背中に手を添えながら、ただただ俺を勇気付けてくれる光葉。
光葉はいつも……俺を支えてくれた。
『あんな事』があって、人生に絶望していた俺を……復帰させてくれたんだ。
そう思うと、次第に湧き上がりかけていた吐き気の様なものが引いていくのを感じた。
「……サンキュ、光葉。もう大丈夫だ」
「そう。なら良かったわ」
回復の意を示すと、光葉は笑顔になって離れてくれた。
俺はそんな優しい……本当に優しい幼馴染みに、心の底から感謝した。
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