132人が本棚に入れています
本棚に追加
ちょっとした気持ちの揺れは発生してしまったが、
以降は何も問題無く、事をやり過ごせてたと思う。
「此方はこれでターンエンドだ」
そして現在は俺の決闘の出番となり、都市外の生徒との対戦をしているわけだが。
俺の対戦相手、薔薇を胸ポケットに差し込みんだスカした男子生徒がターンを終える宣言をした。
俺からしてみれば、明らかな女子受けを狙いで気色悪いんだが……当の観客女性たちは「きゃー! 素敵ぃー!」と叫んでいる。
「見たところ、特出した学園の生徒ではないようだが……君にこの布陣を乗り越える事が出来るかな?」
オマケに学校のレベルをネタにこちらを挑発してくる。
まぁ、学校のレベルなんてのは気にしてないからどうだっていい。
……それに事実、相手の鉄壁の布陣に大苦戦を強いられてるしな。
─────
大輝→手札:1枚、シールド:0枚、マナ:8枚
《アクア・ジェスタールーペ》、《時空のスター・G・ホーガン》(フリーズ)
相手→手札:4枚、シールド:1枚、マナ:7枚
《光器パーフェクト・マドンナ》、《銀界の守護者ル・ギラ・レシール》、《束縛の守護者ユッパール》
─────
俺は改めて場を見渡し、状況を確認した。
「場にはブロッカーが2体で、オマケに相手は事前に《光牙王機ゼロカゲ》を加えてるんだよな……」
『そしてこっちの唯一の手札は《クリスタル・ツヴァイランサー》。こいつを出そうにも《ル・ギラ・レシール》でタップされちまうって訳だな』
離れないブロッカーに、進化クリーチャーによる速攻封じ、しかも既にいる大型をフリーズで縛ってくるという徹底ぶりだ。
……相手のシールドは既に割り切れてるとはいえ、きっついなこれ。
「俺のターンだ」
不安な気持ちを渦ませながら、デッキに手を乗せる。
突破口はまだ見えない。
……けど、負けたくない。
そんな子供の駄々こねの様な感情を起こしながら、俺は祈った。
来てくれ!
この場を覆す一手!!
そして俺は、全力を込めてカードをドローした。
最初のコメントを投稿しよう!