女帝の実力

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ちょっとした気持ちの揺れは発生してしまったが、 以降は何も問題無く、事をやり過ごせてたと思う。 「此方はこれでターンエンドだ」 そして現在は俺の決闘の出番となり、都市外の生徒との対戦をしているわけだが。 俺の対戦相手、薔薇を胸ポケットに差し込みんだスカした男子生徒がターンを終える宣言をした。 俺からしてみれば、明らかな女子受けを狙いで気色悪いんだが……当の観客女性たちは「きゃー! 素敵ぃー!」と叫んでいる。 「見たところ、特出した学園の生徒ではないようだが……君にこの布陣を乗り越える事が出来るかな?」 オマケに学校のレベルをネタにこちらを挑発してくる。 まぁ、学校のレベルなんてのは気にしてないからどうだっていい。 ……それに事実、相手の鉄壁の布陣に大苦戦を強いられてるしな。 ───── 大輝→手札:1枚、シールド:0枚、マナ:8枚 《アクア・ジェスタールーペ》、《時空のスター・G・ホーガン》(フリーズ) 相手→手札:4枚、シールド:1枚、マナ:7枚 《光器パーフェクト・マドンナ》、《銀界の守護者ル・ギラ・レシール》、《束縛の守護者ユッパール》 ───── 俺は改めて場を見渡し、状況を確認した。 「場にはブロッカーが2体で、オマケに相手は事前に《光牙王機ゼロカゲ》を加えてるんだよな……」 『そしてこっちの唯一の手札は《クリスタル・ツヴァイランサー》。こいつを出そうにも《ル・ギラ・レシール》でタップされちまうって訳だな』 離れないブロッカーに、進化クリーチャーによる速攻封じ、しかも既にいる大型をフリーズで縛ってくるという徹底ぶりだ。 ……相手のシールドは既に割り切れてるとはいえ、きっついなこれ。 「俺のターンだ」 不安な気持ちを渦ませながら、デッキに手を乗せる。 突破口はまだ見えない。 ……けど、負けたくない。 そんな子供の駄々こねの様な感情を起こしながら、俺は祈った。 来てくれ! この場を覆す一手!! そして俺は、全力を込めてカードをドローした。
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