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「《エイヴン》によって全てのクリーチャーが攻撃可能になった。トドメと行こうか! 《HEIKE》でダイレクトアタックだ!」
対戦相手が最後の攻撃宣言をし、観客が一気に叫んだ。
シールドがない以上、これぐらいのクリーチャーを全て防ぎきるのは無理だと判断し、決闘都市側の観客は全員が諦めムードだ。
──でも、《オーシャンGホーガン》がいれば無理じゃない!
「ニンジャ・ストライク《光牙忍ハヤブサマル》。自身をブロッカー付加に選択した後に《オーシャンGホーガン》の能力発動だ。俺がクリーチャーを召喚した時に、デッキトップのクリーチャーを踏み倒す」
「!? 其方は前のターンに《アナライザー》で操作している……っ!?」
俺が説明をした直後に、相手は前ターンのトップ操作の重要性に気付いたようだ。
そう、俺は既に次のカードが何かを知っている。
「トップのカードは……《クリタル・パラディン》! こいつが出た時、ブロッカーを全て手札に戻す!」
「馬鹿な……こんな方法で《HEIKE》を止めてくるなんて!」
《アナライザー》の上に重なるようにして出たクリーチャーに、相手は驚愕の表情を浮かべつつバトルゾーンから弾かれる2体のブロッカーを手札に加えた。
《HEIKE》は選ばれないクリーチャーだから、除去は大抵できないし、出来てもそいつ1体が精一杯だ。
実際、そうなってはいるが……他にも手札に戻っているものが存在する。
「オマケにブロッカーになっていた《ハヤブサマル》も手札に戻っている、か……。再び攻撃すればニンジャストライク、《オーシャンGホーガン》を再び誘発……」
相手は冷静に俺のプレイングの真意を理解していた。
都市外から招致された生徒ということもあり、頭もいいようだ。
とはいえ、相手は攻めるしかない。
次のターン、相手が防御に使えるブロッカーは2体だけだが、こっちのアタッカーは3体だからだ。
「……これでターンエンドだ」
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