女帝の実力

17/36
前へ
/414ページ
次へ
「《エイヴン》によって全てのクリーチャーが攻撃可能になった。トドメと行こうか! 《HEIKE》でダイレクトアタックだ!」 対戦相手が最後の攻撃宣言をし、観客が一気に叫んだ。 シールドがない以上、これぐらいのクリーチャーを全て防ぎきるのは無理だと判断し、決闘都市側の観客は全員が諦めムードだ。 ──でも、《オーシャンGホーガン》がいれば無理じゃない! 「ニンジャ・ストライク《光牙忍ハヤブサマル》。自身をブロッカー付加に選択した後に《オーシャンGホーガン》の能力発動だ。俺がクリーチャーを召喚した時に、デッキトップのクリーチャーを踏み倒す」 「!? 其方は前のターンに《アナライザー》で操作している……っ!?」 俺が説明をした直後に、相手は前ターンのトップ操作の重要性に気付いたようだ。 そう、俺は既に次のカードが何かを知っている。 「トップのカードは……《クリタル・パラディン》! こいつが出た時、ブロッカーを全て手札に戻す!」 「馬鹿な……こんな方法で《HEIKE》を止めてくるなんて!」 《アナライザー》の上に重なるようにして出たクリーチャーに、相手は驚愕の表情を浮かべつつバトルゾーンから弾かれる2体のブロッカーを手札に加えた。 《HEIKE》は選ばれないクリーチャーだから、除去は大抵できないし、出来てもそいつ1体が精一杯だ。 実際、そうなってはいるが……他にも手札に戻っているものが存在する。 「オマケにブロッカーになっていた《ハヤブサマル》も手札に戻っている、か……。再び攻撃すればニンジャストライク、《オーシャンGホーガン》を再び誘発……」 相手は冷静に俺のプレイングの真意を理解していた。 都市外から招致された生徒ということもあり、頭もいいようだ。 とはいえ、相手は攻めるしかない。 次のターン、相手が防御に使えるブロッカーは2体だけだが、こっちのアタッカーは3体だからだ。 「……これでターンエンドだ」
/414ページ

最初のコメントを投稿しよう!

132人が本棚に入れています
本棚に追加