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先ほどの俺の決闘は全体の中で3番目に当たり、無事に勝利出来たので戦績は2勝1敗となっていたわけだけれど、
その後は負けたり勝ったりと、拮抗するような試合の流れとなった訳だ。
「《シャイニー・ホール》で《ドラヴィタ》をバトルゾーンに!」
「先ほど加えた《ハヤブサマル》と合わせて無敵の壁を形成し、覚醒による勝利を狙っているようだが、それは無駄さ。《封魔バルゾー》の召喚時能力で《ドラヴィタ》をバウンス! そして一斉攻撃だ!」
「うっそ~ん!!」
その中で怜衣乃も負けてしまう。
まぁ相手は都市外にある選りすぐりな訳だし、仕方ない。
ともかく会場の熱気が良い感じにピークに達した頃に、ついに『彼女』の名前がアナウンスに呼ばれた。
「それでは第7試合、決闘都市サイドの選手はぁ~! 決闘都市内における順位システムにおいて、14歳にして第8位! 『選出決闘者』の菜季光葉!!」
遂に光葉の決闘の時がやってきた。
俺と怜衣乃だけでなく、決闘騎士団の面々全員の視線が集まる。
つい最近、入り込んできた新たな『選出決闘者』。
エリート中のエリートといっても過言ではないその称号を、中等部の生徒として初めて手に入れたという意味で、決闘騎士団のやつらも一目置いているのだろう。
「みっちゃん、頑張れ!」
立ち上がる光葉に向けて怜衣乃が応援の言葉をかけたので、
俺も続けて声をかけた。
「勝ってこいよ!」
すると光葉を歩めていた足を一回止め、背中を向けたまま答えてくれた。
「ったり前でしょう! ちょっくら勝ってくるから、そこで適当に眺めてなさい!」
その背中は、普段感じる線の細いか弱い女の子というのを一切思わせない、とても頼もしいものだった。
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