女帝の実力

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「おーっと、これは襟沢選手! 大胆な告白宣言だー!!」 当然ながら、会場の盛り上がりを重視する進行者は助長するようにマイクを震わせる。 勿論、会場の熱狂はより一段凄くなった。 「おーおーヒロっちぃ! みっちゃんが取られちゃいそうだよ?」 俺の隣で怜衣乃がニヤニヤと楽しそうに話しかけてきた。 まぁ普通ならちょっとは慌てた方が良いんだろうが…… 実際、俺はそういった心配はしてないわけだ。 「……寝言は寝てから言いなさい。笑えないわ」 告白された本人である光葉は明らかに不愉快な表情で、そう返していた。 光葉、初対面で好意を示すような胡散臭い奴が大嫌いだからな。 しかしそう言われてしまっても、相手の襟沢は諦める様子を見せない。 「ハハハ、今すぐ答えなくて構わないよ! 君にはこの決闘で俺の魅力に気付いてもらうんだからねっ!」 山札から5枚を引きつつ、相変わらずムカつくアピールをする襟沢に、 光葉は限界を迎えてしまったようだ。 「……ハァ」 まずは深い溜め息を一つ。 それだけで、俺は光葉がキレてしまっている事に気付いた。 「アンタ……調子に乗り過ぎよ。そっちの方で1位取れてるからって大将気取りなんて甞め過ぎにも程があるわね。外のヤツらって、よく『決闘都市にいる決闘者は井の中の蛙』なんて言うけど、敢えて言わせてもらうわ。そっちの1位とこっちの9位じゃ、雲泥の差。井の中の蛙なのがアンタ達の方だって事、見せつけてあげる」 「怒って吠える姿も可愛いね。いいよ、君の実力を確かめてあげる。その上で……俺が勝つけどね!」 さすがの言葉の応酬に、襟沢もちょっとだけ眉をひそめた。 そして二人は同時に高らかと宣言した。 「「決闘っ!!」」
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