132人が本棚に入れています
本棚に追加
例の如く、決闘台による決定で襟沢の先攻という形で決闘が始まった。
「マナチャージ、ターンエンド」
「こっちもマナチャージで終了よ」
「2マナで《ムゥリャン》を召喚し、自身を破壊することで1枚引かせてもらうよ」
ムゥリャン
水文明/2マナ/サイバーロード/2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、このクリーチャーを破壊してもよい。そうした場合、カードを1枚引く。
2ターン目、早速動いた襟沢が出したのは呪文のように効果を発揮するサイクルクリーチャーだ。
とはいえ、ただの1ドローってのはデッキ圧縮にしかならないし、それなら元となってる《ガード・クリップ》で十分なはずだ。
一体、どういう意図で入れてるんだアレ。
「アタシは2マナで呪文《マインド・リセット》よ。アンタの手札を確認させてもらうわ」
マインド・リセット
闇文明/2マナ/呪文
相手の手札を見て、その中から呪文を1枚選び、捨てさせる。
それに続き光葉が唱えたのは代表的なハンデス呪文。
ピーピングと妨害を早期に行える有力なカードだ。
さすが光葉、カードチョイスが鋭い。
───しかし、
「では手札を公開するよ」
そう言って、素直に手札を決闘台にセットすることで立体映像として映し出されたのは、
《フェイト・カーペンター》、《ムゥリャン》、《盗掘人形モールス》、《ルナ・コスモビュー》。
つまり、呪文はなかった。
「うわ、スカしちゃったか……」
『ま、見えるアドバンテージが無くても、良いものは手に入れてたようだけどな』
独りでに呟いてみると、相棒がそう返してきたので光葉の方を見てみると、
「ふーん」
全てを見透かしたかのように笑っているのが分かった。
最初のコメントを投稿しよう!