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(昼矢視点)
オレはいつも通りの時間に起床し、何ら変わらぬ簡易調理品による朝食で簡単に腹を満たさせた。
第4決闘者育成高校の学生寮は聖マリナンテと比べると、月とスッポンな程に広さが違うが、生活に必要なもの以外を置かないオレにとっては無駄に広さを感じずに済むコッチの方が気が楽に感じる。
『昨日の代表選では、機械によってランダムに選ばれた生徒たちであったにも関わらず、私たち決闘都市側の勝利となりました!』
背景音楽代わりに付けたテレビでは、昨日あったイベントのダイジェスト映像が流れていた。
「チッ、何がランダムだ。全員が決闘騎士団のメンバーだなんて、あのババアが明らかに選んでるじゃねェか」
一人、そんな事を吐き捨てながら寝間着から私服へと着替える。
ゴールデンウィークだからとはいえ、遊んでる暇なんかない。
決闘都市のトップをやってやがる年齢不詳のババアの鼻を明かしてやる為に、今日も調査だ。
んな事を考えつつ、オレは部屋のドアを開けた。
学生寮の小汚い廊下を歩き、階段を下ろうと視線を下した時……
学生寮の目の前に、黒い高級車が停まっているのに気が付いた。
……以前に第4に来てやがり、大輝と金髪女を乗せたのと同じ奴だな。
ババアの手回しか。何しに来やがった……?
オレは警戒心をマックスに高めながら、階段を急いで降りた。
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