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「ですが、研究所で色々な調べものをしている貴方なら、私が呼び出した用件は分かるのではありませんか?」
「……」
オレはババアの言葉を聞き、黙り込んでしまった。
さすがにオレが動き回って情報収集してることは知ってヤがったか。
確かに、ババアの用件は把握がついてる。
「決闘騎士団か」
「はい。特誕次元獣を持っている貴方の勧誘です」
やっぱ決闘騎士団の勧誘だったか。
どうやらオレを含めた一部の学生が突如手に入れた唯一無二のサイキック・クリーチャーのことは『特誕次元獣』って名づけたようだな。
「断る。テメェの傘下は御免だし、そもそも何処かに属する気はねェ」
「ええ、もちろん。貴方がすぐに了承してくれるとは思っていません。
───なので、ここは決闘で決めましょう」
「……っ!?」
ババアが言い終えた瞬間に部屋が突然明るくなり、更には一部の床が盛り上がってきやがった。
持ちあがった床は変形をし……決闘台になった。
「私が指定した決闘者との決闘に勝てば、貴方を決闘騎士団へ勧誘することは諦めましょう。ですが負けた場合は決闘騎士団に入って頂きます」
「……ほォ」
ババアの意外な潔さに、オレは感心の声を上げた。
もっとしつこく来るもンかと思ってたぜ。
決闘に勝てばいいんなら、こっちとしてもありがてェ。
と、思っていたが、それは甘かったみてェだ。
「昼矢。君、僕が相手でも決闘で決めて良いなんて言えるのかな?」
さっきオレが入ってきた階段の方から、逆に3階から2階へと下りてくる足音と共に、聞いたことがある───二度と聞きたくもなかった声が聞こえてきやがった。
……ッチ、こいつは……!
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