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階段を降り終えてこの部屋に入ってきたのは、聖マリナンテの制服を着たムカツく程に爽やかな野郎だった。
「久しぶりだね、昼矢」
「随分と甞めたマネだなァ、ババア」
オレは憎悪を思いっきり顔に出してババアを睨む。
だがババアは一切怯まなかった。
「私は団長の雛岸さんに昼矢くんの加入の件を相談したまでです。そこで彼───御澄宏織くんが名乗り出たんですよ」
「君の話というなら是非とも僕に任せて欲しいと頼んだんだよ」
ババアが説明するとクソ野郎が胸を張って述べてきた。
ぶん殴ってやりたい衝動に強く襲われるが、オレはぐっと抑える。
ここでンな事やっちまうと、今後の学園生活への支障がヤバそうだしな……。
「ッチ、テメーに勝てばいいんだろ? あん時のまんまかと思ったら大間違いだぜ」
「その言葉、そのまま君に返すよ。僕が一切成長せずに君に抜かされるのを待ってるとでも思ったのかい?」
クソ野郎はオレの挑発を軽くいなしながら腰に提げたデッキケースからデッキを取り出した。
オレも対抗してズボンのポケットからデッキを取り出す。
「では、私は予定を控えているのでここで失礼します。御澄くん、後は宜しくお願いします」
「了解です、都市長」
ババアはそう告げるとさっさと部屋から抜け出して行きやがった。
ま、クソ野郎と対峙するってんなら、ババアはもう邪魔者だ。
オレはぜってぇコイツに勝って……『あの時』味わった屈辱を返してやる!!
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