マリナンテとの衝突

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カードをドローする前に、オレは少し記憶の想起をした。 したっつーよりはクソ野郎の顔を見てたら勝手に思い出したってのが正確だがな。 ──── ─── ── エリートってやつは実力主義だ。テストの点数、決闘の強さが全てを決めるってわけだ。 聖マリナンテでそれが強く出ているのがクラス分けだ。 テストと決闘による成績で2つのクラスに振り分けられるわけだが……これがまるで天国と地獄のような違いがある。 上のクラスは比較的自由度が高く、要するに成績をキープさえ出来れば好き勝手やっていいって事だ。 だが逆に下のクラスは朝早くから夜遅くまで校内に拘束され、講義と決闘レッスンを無理やりにでもさせられる。講師はよそ見を許さず、すれば厳罰をするという徹底ぶりだ。 聖マリナンテに居た頃は今よりは他人と仲良く出来たわけだが、実力競争がある以上は上辺だけの付き合いが多かった。 だがたった一人だけ、親友と呼んでもいいようなヤツがいた。 「昼矢くん、このデッキについてはどう思う?」 それが御澄ってわけだ。 ── ─── ──── 想起を一旦止め、決闘に戻ることにした。 「オレは《ボーンおどり・チャージャー》を唱える。デッキトップを2枚落とし、こいつはマナゾーンだ。これで終わりだ」 ボーンおどり・チャージャー 闇文明/3マナ/呪文 自分の山札の上から2枚を墓地に置く。 チャージャー 墓地を肥やしつつマナ加速もこなせる堅実なカードだ。 オレのデッキにはピッタリだが……今回は微妙かもな。 現にオレは呪文を唱えたのを確認したクソ野郎はニヤニヤしている。 「早速、呪文を使ってくれるなんて昼矢くんは優しいねぇ。じゃあ僕は《メタフィクション》の効果で《クリスティゲート》を回収させてもらおうかな」
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