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勝てた……。
1年前に屈辱の敗北を与えてきて、オレのエリート人生を終わらせたクソ野郎に……っ!
決闘台のモニターに『YOU WIN』の文字が浮かび、クリーチャー達の立体映像が消えていく中、オレは勝利の余韻に浸っていた。
「馬鹿な……。この僕が……第4高校程度の決闘者に負けるなんてっ!」
対してクソ野郎は想定外の結果を受け止めきれず、決闘台に両手を乗せて、ただ茫然としていた。
オレは盤面のカードを回収してデッキに重ねつつ、ヤツに言ってやる。
「テメェがオレにしたことは今でも許す気はねェ。……でもな、一つだけ感謝してやるよ」
デッキを腰に付けてるデッキホルダーに収める。
そしてクソ野郎を睨み、ニヤリと笑みを浮かべた。
「マリナンテなんてとこじゃ得られない『強さ』ってやつを、第4高校で得られたからなァ」
「……くっ!」
恐らくヤツは「エリート校の方が良いに決まってる」と思ったんだろうが、この決闘の勝敗が論破しちまってる。
第4高校で大輝に負けたお陰で、オレはこいつに勝てたンだ。
ククッ、最っ高にいい気分だぜ!
オレは心の中で笑った後、部屋の天井隅にある監視カメラに向けて言い放った。
「おい、ババア! どうせこの決闘の模様を見てたんだろ? 賭けはオレの勝ちだ。金輪際、オレに関わってくんじゃねェ!!」
言い終わるとオレは踵を返し、部屋から出ていった。
クソ野郎は未だに動かず、顔を伏せていた。
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