父の影と未知の力

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しばらく経ち、他にもガンアクションゲームやら音楽ゲームやらで楽しんだ俺たちは、そろそろゲームセンターを出ようかという話になっていた。 デュエル・マスターズの格闘ゲームの結果? 語らない時点で察してくれ。 「ねぇ、ヒロっち。あれ、最後にやってみない?」 そんな時に怜衣乃が一つのゲームマシーンに小走りに駆け寄りながら言ってきた。 それは俺たちも初めて見るデュエル・マスターズ専門クイズマシーンのようだ。 しかも5台併設していて、上の看板にはデカデカと『同時対戦も可能! 5人のお友達同士で決闘知識バトル!』なんて書かれてる。 確かに、面白そうだ。 「いいね、やろうぜ!」 俺はそれに応え、付いて行くように筐体に走り寄った。 残りの3人もそれに続いた。 並び順は左から夏騎、小鶴、俺、光葉、怜衣乃といった感じでマシーンに向き合い、クイズ開始となった。 『プレイモードを選択してね!』 目の前のモニターからそんな声が聞こえてきたので、俺は『店内対戦モード』をタッチする。 待機状態になってカウントが60から徐々に減っていくが、45秒くらいで残り4人も選択し終えて画面が切り替わった。 『出題レベルを選択してね!』 次に難しさの選択だ。かんたん、ふつう、むずかしいの3段階になっている。 『むずかしい』だと光葉の独壇場になる可能性もあるな……。ここはふつうだな。 俺はそう考えて『ふつう』をタッチした。 数秒後、他4人が選択した選択肢も同時に表示されてルーレットが開始した。 案外、ふつう2人、かんたん1人、むずかしい2人というバラけ具合だったので不安だったが、無事にふつうが選ばれた。 『ではクイズスタートっ!』 これでようやくゲームスタートのようだ。 俺は気を引き締めて、モニターを見つめなおすのだった。
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