父の影と未知の力

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………………。 瞬く間に問題が過ぎていき、あっという間に最終問題へと差し掛かった。 現在の順位は、1位光葉、同率2位で俺と夏騎と怜衣乃、3位が小鶴だ。 光葉は俺たちよりも3問多く正解している独走状態。 対して小鶴は1問差。決闘歴短いのにすごい奮闘っぷりだ。 『最後の問題は一番最初に正解したプレイヤーに3ポイント! 2番目のプレイヤーに2ポイント! 3番目のプレイヤーは1ポイント獲得できます!』 とここで変則ルールが説明された。 これで一応、全員に1位の可能性が見えたな。小鶴だけ単独勝利は出来ないけど。 『では問題!』 スピーカーが一度そこまで喋って言葉を止めると、最後の問題を…… 俺の頭を真っ白にさせてしまう出題をしてきた。 『過去に10年無敗のチャンピオンとして君臨し続けた。前人未到の記録を持つ伝説のプロ決闘者は誰?』 「っ!!?」 全身の毛穴が開き、冷たい汗が額に伝う。 俺は何も考えられず、ただクイズマシーンに両手を載せたまま固まり続けた。 『残り10秒!』 制限時間があっという間に過ぎ、モニターの方から急かすアナウンスが聞こえてくるけれど、今の俺の耳には入らない。 結局俺は何も回答出来ずにタイムアップしてしまった。 一番左上の選択肢、『IO(イオ)』と書かれた文字を凝視したまま。
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