父の影と未知の力

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(大輝視点) アックスが宥めてくれたのもあり、何とか元の調子を取り戻せた俺は気を取り直して遊ぶのを再開した。 「大輝、平気?」 ゲーセンから出て、街道を歩いていると光葉が隣に寄ってきて聞いて来てくれた。 そんな彼女には「ああ、もう大丈夫」と端的に伝えた。 するとその現場を見ていた怜衣乃がしみじみと口にした。 「いやーやっぱりヒロっちとみっちゃんはおしどり夫婦ですねぇ。見せつけちゃってぇ♪」 「はあ……」 さらに怜衣乃の隣にいる小鶴が何故か溜め息を付いた。 後ろにいる夏騎はやれやれと手で示してきた。 何だお前ら揃いも揃って……。 俺が3人反応に呆れようとした時、ポケット内の携帯が振動を始めた。 取り出してみると電話の着信のようだ。 だが番号は表示されず、『非通知』と書かれている。 「……」 非通知の電話に出るのは少し勇気がいる。 でももしかしたら決闘騎士団関連かもしれないと結論付け、俺はまずみんなから少しだけ距離を空けてから、通話ボタンを押した。 でも光葉は傍から離れなかったけど。 「はい、どちら様ですか?」 「海堂大輝様ですね?」 誰か尋ねると、相手はこっちを確認する疑問をぶつけ返してきた。 いや、俺の携帯にかけてるんだから俺が出るに決まってるだろ。 「そうですけど、そちらは?」 「ワタクシはとある主の使いの者。名乗るほどの者では御座いません」 改めて聞き返したが、かわされてしまった。 何だこいつ。めちゃくちゃ怪しいぞ。 通話を切ろうか迷ったが、その間に相手の男が淡々と告げてきた。 「30分後、第16区域にある旧決闘アリーナにてお待ちしております。貴方が知りたがっている真相をお教えできるやもしれませんよ」 「知りたがってる真相……?」 突然の言葉に反復するように言葉を口にするが、相手の男は何も答えずに通話を切ってしまった。 ツーツー、という電子音が耳に響く。 俺は状況が上手く整理できずに、呆然と突っ立ってるしかなかった。
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