父の影と未知の力

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俺がそうして考えてる内に、フードの男がプレイングを進めた。 「ワタクシはマナチャージにて終了致します」 相手はマナチャージのみ。1ターン目に動けるデッキは稀だから当然か。 なら俺のターン。とっとと攻めてやるぜ! 再び目の前に出現した「turn3」を横目にしながら、デッキから飛んでくるドローカードをチェックする。 「2マナで《アクア・ビークル》を出して、《ティーチャー》の能力で1枚ドロー。これでターンエンドだ」 「ではワタクシは《霞み妖精ジャスミン》を召喚致します。自壊させまして山札の一番上をマナへ送ります」 こっちと同じ様にカードが前方に飛んだと思いきや爆発を起こし、《ジャスミン》が出現するとまた爆発。 カードに戻ると男の方の手元へとUターンして行き、デッキの横で静止した。 アクア・ビークル 水文明/2マナ/リキッド・ピープル/1000 霞み妖精ジャスミン 自然文明/2マナ/スノーフェアリー/1000 このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、このクリーチャーを破壊してもよい。そうした場合、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。 とにかく、相手はマナチャージだけだな。 ならこっちの方針は変わらず、速攻あるのみだ。 「俺のターン! 3マナで《アクア戦闘員ゾロル》と《アクア・ガード》を召喚。さらに《ティーチャー》で1枚ドロー」 アクア戦闘員 ゾロル 水文明/2マナ/リキッド・ピープル閃/2000 アクア・ガード 水文明/1マナ/リキッド・ピープル/2000 ブロッカー このクリーチャーは攻撃することができない。 軽いマナで展開を続け、細かなドローで手札損失をカバーする。 これがリキッドピープル型バニラビートの強みだ。 俺は心の中笑いつつ、《アクア・ビークル》に向けて手を伸ばした。 「《ビークル》でシールドをブレイクだ!」 そう指令を出すと《ビークル》は謎の男の方へと走って行き、右腕に直接付いてる大砲のようなもので──青白い盾をかち割った。 え、そっから弾出すとかじゃないのか。 俺はついツッコミを心の中でしてしまう。 それが出来るくらいに、心の余裕ができたってことだな。
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