父の影と未知の力

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その言葉を聞いた瞬間、俺の中にあったハズの闘志が霧散し、全身が震え上がった。 あ、あいつが……どうして、そのことを知っているんだ!!? 「お、おい……今あいつ、IOって言ったよな……?」 「うん。ヒロっちがIOの息子だって、確かに言った」 後ろから夏騎と怜衣乃が、フードの男の語った言葉に驚きの声を上げるのが聞こえてきた。 けど今俺はそれどころじゃない。 頭の中で、一気に事態を把握し、俺の心は怒りで瞬時に一杯になった。 「まさか……お前が言ってた「俺が知りたがってる秘密」ってのは親父のことなのか!? 親父は生きてるのかっ!!?」 突然、行方をくらました親父。 そのせいで俺も、お袋も……。 そこまで考えると、目頭が熱くなってきた。 「それはワタクシに勝てたらお教えしましょう。──もうその可能性は消えてしまいましたけどね」 「っ!」 フードの男が俺の葛藤を断ち切るように言ってきて、俺はバトルゾーンを慌てて見返した。 相手の場にいるのは、《銀河大剣ガイハート》を装備した《龍覇グレンモルト》と《時空の不滅ギャラクシー》のみ。 俺のシールドはまだ2枚残ってるし、その中には革命0トリガーがある。 可能性が消えた……そんなのはハッタリだ! 「《銀河大剣ガイハート》は装備したドラグナーにスピードアタッカーを与えます。まずは《グレンモルト》でシールドを攻撃致します」 相手が攻撃の宣言をしてきた。 《グレンモルト》が《ガイハート》を両手で握りながら、青白い盾に向かい突進し、突きで粉砕してきた。 割られたのは《ゾロル》の方のシールドだ。 これで残るは《革命の水瓶》のみ。 シールドは全て割られるが、次のターンでトドメを刺してやる。 俺は強く活き込んだ。 「では《時空の不滅ギャラクシー》でもシールドを攻撃します」 そして相手は更なるクリーチャーでシールドを割ってくる。 俺はその破片が収束し、1枚のカードになると、それを手札に加える。
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