語られる過去の棘

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店内も凄いことになっていた。 なんかもう、目に悪そうなほどにキラキラしてる。 お高そうなシャンデリアが5個程度確認できる。 学生が主な決闘都市でこんな店建てるなよ、と思ったが普通は金持ちの学生しか来ないもんな……。 「いらっしゃいませ。……あ、あのお客様」 来店してきた俺たちを見ると、タキシード姿の店員が明らかに面倒な顔して寄ってきた。 ま、普通は間違って来店してきたもんだと思うよなぁ。 けど、すぐに店員の傍に居た光葉が声を掛けた。 「その人たちはアタシがさっき言った友人よ」 「そ、そうでしたか。これは失礼しました。ご案内いたします」 店員は慌てて姿勢を正し、光葉の前に先導して店の奥へと案内してくれた。 光葉が後ろを向いてこっちにクスリと笑ってきた。 この店に似合ってないのは重々承知してるっての。 『俺』はあくまでも一般人だからな。 俺たちが案内されたのは、ドアで仕切られた完全な個室だった。 そこに6人用の四角いテーブルを左右に3つずつ椅子が置いてある。 右側の壁の方から光葉、俺、夏騎で、左側は怜衣乃、小鶴って感じの順番で腰を下ろした。 「みんな、とりあえず注文決めて。話したいことは注文したのが届いてからにした方が良さそうだし、ね」 「だね。みっちゃんに賛成!」 窓側の端に立ててあったメニュー表を手に取って開きながら提案した光葉に、怜衣乃が同様にメニュー表を取りながら同意を表明した。
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