語られる過去の棘

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椋葉さんから光葉の居場所を訊き終えた俺は、自室へと戻った。 「ごめんね。本当はもっと早くに教えるべきだったんだけれど、場所が場所だから言いづらくてね……」 椋葉さんの元を去る前に困り笑顔に言われた言葉を思い出す。 ……まあ確かに、決闘都市なんてワードは光葉が行ったと知らなければ聞きたくなかったなぁ。 『で、お前はどうする気だ?』 俺がベッドに寝転がっていると、アックスが話しかけてくる。 そいや、倉庫から出る時に胸ポケットに《アックス》のカードを入れてそのままだった。 「どうするって言われてもな……」 俺は答えに困った。 確かに光葉に会いたいのは事実だけど、今の俺にデュエマが深く関わってる決闘都市なんて行くのは…………無理だ。 『俺の推測ではあるが、光葉が決闘都市に向かったのはお前の為じゃないか?』 「俺の為?」 アックスの言葉に俺は疑問を持つ。 デュエマに触れられないのに、何で決闘都市に? そう思っていると、アックスが説明を始めてくれた。 『光葉はいつかお前がデュエマを再び出来るようになった時、自分がお前といい勝負ができるように強くなる為に、決闘都市に行ったんじゃないかってことだ』 「……」 俺とデュエマする為に、か。 光葉がデュエマを始めたのはわりと最近の話で、俺が親父から教えてもらってからしばらく経ったタイミングだった。 それで俺が教えることになった。光葉は飲み込みが早くてすぐにルールを覚えてくれたんだが、デュエマはほとんど俺が勝ってたなぁ。
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