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『光葉は立ち上がて進む道を選んだ。お前が追ってきてくれると信じて』
「……」
アックスの言葉が胸に突き刺さるかのように感じる。
ああ、確かに光葉は立ち上がった。
でもそれは状況が違うだろ。
「死んだのは俺の親父とお袋だ。光葉の両親じゃない! 俺の傷の深さなんてわかんねえっ!」
俺は肺に残ってた空気を全部を押し出すかのように叫んだ。
そうだ。肉親を失い、たった一人取り残されてしまったのは俺だけなんだ。
この悲しみは、やるせなさは、誰にも分からない。
『それは違う。お前が分かられたくないだけだ』
「っ!!」
そう言われた瞬間、俺は全身に電撃が走ったかのような衝撃を受けた。
自分でも完全に理解できていなかった心中が、アックスに見抜かれていた。
それを指摘され、納得とショックが一気にやってきたんだ。
『それに光葉はもうデュエマの道へ行くと決断したんだ。だからここで大輝が立ち止まれば、二度と光葉には追いつけなくなるだろうな。そしたらお前は本当に光葉を失うことになる』
「……っ!?」
これがトドメの言葉となった。
光葉を失う──それを再び考えた瞬間、血の気が失せる想いになった。
もう……大事な人がいなくなるのは御免だ。
そうなってしまうくらいなら、
「……俺、決闘都市に行く」
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