語られる過去の棘

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──── ─── ── 「その後は椋葉さんに頼んで、決闘都市に来たってわけだ」 俺は話が一段落ついたところで一息ついた。 この時の出来事はアックスと出会った思い出でもあるけど、やっぱ思い出すのはちょっとキツかったかな。 一番キツかった部分の後だったから、大分楽だったけど。 「そっかー。なるほどねー」 怜衣乃はうんうんと頷きながら納得していた。 まあこれでほとんど伝えることは伝えられたかな。 俺が話し終えられたことの安堵の息を吐くと、光葉が話を切り替えるように話してきた。 「お疲れ様、大輝。じゃ、次は今日のことについて話しましょ」 それを聞くと同時に、1時間ほど前に決闘したことが脳裏に思い浮かぶ。 「誰かに仕えてるらしいフードの男、精霊が実体化する決闘空間、俺たちの知らないカードのドラグナーとドラグハート、そして──親父の行方」 謎だらけだった今回の一件。 疑問が次々と浮かぶから、整理しきれなかったところだ。 その後も、5人で話し合ったんだが、分かっていた事実の状況整理以上のことは得られなかった。 ま、仕方ないよな……。
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