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《クリスタル・スーパー・パラディン》。
突然、《クリスタル・パラディン》が変異したクリーチャーで、その理由は俺にも不明だ。
「俺にも……よくわからないんだ。ドローした《パラディン》がいきなり変わってさ。まぁ、それが無きゃ負けたんだけどさ」
「ふーん、そうなのか……」
俺の説明を受けた夏騎はそう言って、ゆっくりと頷いた。
結局、《クリスタル・スーパー・パラディン》のことは解らず仕舞いだった。
……………。
その後、寮が別々である俺と夏騎は、すぐ近くの分岐路で別れて、俺は1人で自分の寮へと歩いていた。
「……ん、何だあの車?」
すると、寮の前に黒いベンツが停まっているを見付けた。
……何が何だかわからないけど、あんまし関わらない方が良さそうだな。
俺はそう思い、その黒いベンツを避けながら寮の玄関ホールへと入ろうとした。
すると、
「海堂大輝さん、ですね。少しドライブでもしませんか?」
ベンツの方から、若い女性の声が聞こえてきた。
振り向くと、黒いベンツの後部座席の窓から、栗色の長い髪を下ろしている二十代後半に見える女性が俺の方を向いていた。
なんか……見たことあるぞ……あの人。
誰だっけ?
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