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あ……この人は確か、決闘都市長の───富片粧菜さんだ!
「え……あ、あの……都市長が、俺に何の用ですか?」
さすがに少し畏れ多くて、戸惑いつつ質問してみると、都市長はスグに答えた。
「内容は乗ってからお伝えしますよ。……あまり気構えないで下さいね? 貴方をどうこうするわけではないですから」
そう言いながらニコりと笑う都市長は、幼さが残っていて、その瞬間だけはまるで同年代みたいだった。
都市長の言葉を聞いても、怪しさは残るけど、逆らって万が一のことがあると困るので、俺は渋々とその黒いベンツに乗り込んだ。
ドアを締めて椅子にしっかりと座り込むと、ベンツは静かに発進した。
「実は、今日の昼矢丈さんとの決闘は私の指示で行わせたものなんですよ」
「え、それは……どういう事ですか?」
都市長の言葉の意味がよくわからなくて、そう返したら都市長は人差し指を立てて説明してくれた。
「貴方の実力を知りたかったからです。……貴方を勧誘する前に確かめたかったんです」
「───勧誘?」
「はい。そして貴方の実力は見込み通りでした。ですから私は貴方に───
『決闘騎士団』に加入して欲しいんです」
『決闘騎士団』……?
一体何だそれ?
俺はわからない事だらけで首を傾げることばかりだった。
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