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俺の考えている事は筒抜けだったらしく、都市長はクスッと小さく笑ってから言ってきた。
「直接的な攻撃と言っても、爆破テロやモノではありませんよ。それは然るべき機関に任せます。……決闘騎士団は、決闘都市内の優秀な学生を集めた決闘のスペシャリストの集団です。彼らが対応する直接的な攻撃というのは勿論、決闘ですよ」
「な、なんだ……そういうことですか」
何て厳しい組織なんだと腰が抜けかかってしまったが、決闘なら危険はないか。
でもそれでも、決闘都市の存続を掛ける重大な決闘を行うことであろう事はさすがに分かる。
だから、決闘都市の強い決闘者を集めてるわけだし……。
けど……
「そんなにスゴい所なんだと分かりましたけど、より疑問ですよ。……どうして、俺みたいな平凡な学校の生徒に、わざわざ注目してるんですか」
そこが謎なんだ。
俺が通っている第4決闘者育成高校は、下という訳ではないがエリートには程遠いレベルの学校だ。
そんな生徒に、どうして都市長はまず注目しようとしたのか。それが不思議だった。
都市長は、その質問に即座に答えてくれたが、
「それは貴方が───
『あの人』の息子、だからですよ」
「っ!」
だが、その返答は俺が決して望みたく無かったモノだった。
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