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「光葉、どうしてこっちまで?」
駆け寄ってくる光葉に、そう質問した。
いつも俺と光葉は、聖ルチーク学生用バスのバス停までは一緒に登校しているが、
光葉と会うのは、俺の寮から少し歩いた交差点だ。
何故なら、光葉のいる寮はその交差点を曲がった先にあるからだ。
だから普段は俺の寮まで来ることはないのに、一体どうしたんだろうか?
素直に疑問をぶつけたのだが、何故か光葉はムスッとしてしまった。
「アタシが来ちゃ悪かったのかしら?」
「そういうわけじゃないって」
光葉の台詞が本気じゃないと分かっていたが、光葉は俺の言葉を聞くと表情をさっきと同じ感じに戻して俺に言ってきた。
「それより聞いたわよ大輝! 「あの」昼矢に勝ったんでしょ!?」
聖ルチークにまで噂が及んでいたのか、今日の出来事なのに早いなー。
俺は思わずそう思った。
俺の思いを読んだからか、光葉は説明してくれた。
「そりゃ、昼矢は一応元聖マリナンテだからに決まってるじゃない。あいつ、聖マリナンテの中でも結構な実力だったのよ……って、戦った大輝なら当然判るわよね」
「ああ。何しろサイキック・クリーチャーを使うんだもんなぁ。覚醒リンクとか、マジでびびったわ」
光葉の言葉に軽く答えたハズなのに、光葉は何故か突っかかってきた。
「『覚醒リンク』……? 何、それ?」
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