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「……でも、そうね。サイキック・クリーチャーを使える実力だった昼矢に勝てたものね。大輝が手に入れられても不思議じゃないわね……」
光葉は、俺がサイキック・クリーチャーを持っていた事に驚いていたのだが、少ししたら自分で理屈を考えて納得していた。
しかもそれは正解だ。さすがはエリート。
「まー、そういうことらしいな。これが、そうなんだ」
光葉の解答に頷きつつ、俺は胸ポケットからカードを取り出した。
裏側がまだ未完成の、サイキック・クリーチャー。
俺は光葉にそれを手渡し、説明を始めた。
「それ、まだ開発したてらしくて、裏面は俺が作るんだってさ」
「……へぇー。スゴいじゃないの」
物珍しそうにカードを凝視する光葉は、素っ気ないような台詞を言ってはいたが、口元は何だか嬉しそうな笑みを浮かべていた。
「………………って、そうじゃなくて、決闘騎士団の話じゃなかったの!?」
「……あ、そういや」
しばらくカードを見ていた光葉は、少し脱線した話を元に戻した。
すっかり忘れてた。
どこから話を再開すればいいのか迷っていた俺の代わりに、少し黙っていたアックスが始めてくれた。
『何故、口外禁止の決闘騎士団を、光葉が知っているのかということだ』
「そりゃ、アタシは決闘騎士団の一員だからに決まってるじゃないっ!」
「えっ、そうなのか!?」
しれっと答えてくれた光葉の言葉に、俺は思わずそんな声を上げてしまった。
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