132人が本棚に入れています
本棚に追加
『そこまで驚くこともないだろう大輝。光葉は聖ルチーク中等部の一・二を争うエースだ。決闘都市の選りすぐりを集めている決闘騎士団に入っているという方が、むしろ自然だ』
「そ、そりゃそうなんだけどさ……」
アックスが説明してくれた事は、確かによく分かる。
けれど、俺が驚いたのは別の理由なんだ。
「決闘騎士団って、決闘で解決させるっていっても危険なことをしてる事に変わりはないだろ? それを光葉がしてるってのがさ……」
俺のその言葉を聞いた光葉は、頬を少し紅潮させながら聞いてきた。
「な、何よ……。それって、心配してくれてるってこと……?」
「当たり前だろ。幼なじみなんだから!」
光葉の問い掛けに、ちゃんと答えたのに、何故か光葉は顔を反らして俺には聞こえない声量でブツブツと呟いた。
「……やっぱり幼なじみ止まりなのね」
「どうした?」
「なっ、何でもないわよ!」
何を呟いていたのか気になって聞こうとしたのだが、光葉が顔を真っ赤にして必死に言ってきたので、俺は仕方なく引き下がった。
その後、光葉は話題転換とばかりに話を戻してきた。
「そっ、それよりも! 大輝はどうするのよ? 勧誘されたんでしょ!?」
「えっ、あ、ああ。……そうだなぁ」
正直、まだ迷いはあるんだ。
場合によっては、決闘都市の存亡を賭けた決闘をしなければならないのかもしれない。
……俺みたいな、平凡校の一生徒にそれが務まるのかが。
最初のコメントを投稿しよう!