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白い、無地のワンピースを着た、まるっきり外国人の容姿をした、綺麗な金髪の女の子。
その女の子の視線は、確実に俺の隣にいるアックスに向けられていた。
(……アックスが、見えている……!?)
俺の今までの人生に置いて、俺と同じく精霊が見える人なんていなかった。
けど、あの子は確実に見えている。
───俺と、同じなんだ!!
不思議さや困惑よりも、俺はまず喜びを感じた。
だが女の子は、俺を一瞥もせず、1つ奥の角を曲がってしまった。
「ちょっ、ちょっと待ってくれ!」
俺は慌てて追い掛けた。
せっかく見つけた俺と同じ力を持った人。
話がしたかった。
だけど、
角を曲がった先に、既に彼女はいなくて、ただ整備された住宅街(ほとんどが寮だから学生寮街?)の道だけが延びていた。
『……諦めろ。これ以上追い掛けると遅刻するぞ』
何だか険しい顔をしているアックスは、そう言って俺を促した。
精霊は半透明で、物理的に干渉出来ないので実際は無視も出来るのだが、
その言葉に何だか気迫を感じた俺は、素直にアックスに従い、元の登校路に戻ることにした。
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