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長く、腰まで延びたブロンドヘアーに、サファイア色の瞳。
どっからどう見ても、外国人だ。
この女子生徒が先程、朱雀先生が言っていた『天佳怜衣乃』とは思えない。
しかも…………俺は、この女子に見覚えがあった。
けど、それを思い出しきる前に、朱雀先生が話し始めた。
「おー天佳。初登校が遅刻とはいい度胸だね?」
「すみません先生! ちょっと道に迷っちゃったのっ!」
外人顔に似つかわない、天佳という女子生徒は流暢な日本語で返事をした。
その少しおかしな光景に、クラスの生徒全員がザワザワと騒ぎ始めた。
俺はその中ならバレまいと思い、小声でアックスに話し掛けた。
「……アックス。あの子って、昨日の……っぽくないか?」
『雰囲気は何となく違うが、瓜二つだな』
アックスも何だか迷っている感じだった。
教卓の隣に立っているブロンドヘアーの天佳さんは、格好こそ違えど、昨日の朝に会った精霊の見える謎の女の子と瓜二つなのだ。
ちなみに今の天佳さんは、第2ボタンを開けた白いワイシャツに、
太股が大きく露出するくらいに短いプリーツスカート、
そして黒のタイツで脚全体を覆っている。
俺たち2人(?)が天佳さんを見ながら首を傾げていると、朱雀先生がザワついてる生徒を静める為に両手を叩いた。
「はーい、静かにしてー! こんな金髪美人ちゃんが来たら騒がずにはいられないのは分かるけど」
それを聞いて生徒が静かになり始めると、天佳さんは朱雀先生に促されて、黒板に文字を書き出した。
「天佳怜衣乃っ! よく「外国人じゃないのか?」って聞かれるけど、見た目はこんなでも戸籍はれっきとした日本だから、宜しくねっ」
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