132人が本棚に入れています
本棚に追加
俺が席を立った事に驚いたからか、一瞬教室内が騒然としたが……
「うーん……まぁ、昼矢先輩に勝った海堂なら適任か」
「あんな可愛い子との決闘……羨ましいけど、俺なんかじゃ相手にならないだろうからな……」
「頑張れー大輝くん!」
クラスメイトは(一部は悔しがりつつ)了承してくれた。
それらの声を聞いて天佳さんは目を輝かせた。
「えっ、何々? その海堂ってイケメン君は、じょー君に勝ったの!?」
「あ、ああ。運良くではあるんだけど」
少し、返事をするのに数秒かかってしまった。
俺がイケメンかというのに疑問に思ったのと、
「じょー君」というのが昼矢の事を指している事に、戸惑ってしまったからだ。
周りの声から「謙遜するなよー」とか聞こえてくるのだが、実際にあれは偶然で勝ったものだし。
「なるほどねー。じょー君に勝ったんだったら、相手にとって不足なしだね!」
俺の返事を聞いた天佳さんは、満足げにそう言って、隣にいた朱雀先生を見た。
朱雀先生は一時限目の現代文担当なんだけど、少し悩んだ後に、
「……そこで「駄目」って言えると思う? 一回分の授業なら構わないよ。静かに決闘場に移動しなさいね」
笑顔でそう告げてくれて、
それを聞いたクラスメイト全員が、歓喜の声を上げた。
話分かる先生で良かったぜ!!
最初のコメントを投稿しよう!