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上からカードを4枚めくり、それを表向きにしたまま決闘台の(バトルゾーンとマナゾーンの)枠の外に置いた。
《クリスタル・アックス》
《超電磁カーリー・ミラージュH》
《超次元エナジー・ホール》
《アクア・エボリューター》
これら4枚のカードが俺の頭上に、学校机程度の大きさで表示された。
ちゃんと裏側からでも反転して表に見えるようになっていて、観戦客が分かるようになっている。
だから、観戦しているクラスメイト全員が同時に驚いた。
「あ、あれ、何で海堂のデッキに……」
「《超次元》のカード!? どうして持ってるの!!?」
「昼矢先輩に勝った実力だからとはいえ、昨日の今日だぞ……?」
みんなが見ているのは、もちろん《超次元エナジー・ホール》だ。
でもそれは当然な事である。
今まで、この学校に《超次元》を扱っているのは昼矢だけだったから。
けれど、俺と対戦している怜衣乃は、特に驚かなかった。
「おーおー。ヒロっちもサイキック使いなんだぁ♪」
そして怜衣乃は「ヒロっち『も』」と言ってきた。
(どうやら俺の呼び名は「ヒロっち」で固定したらしい)
「もしかして……怜衣乃も?」
恐る恐る聞いてみると、怜衣乃はニッコリと微笑んだ。
「そーゆぅ事っ!」「っ!」
それに思わずドキリとしたが、今度は決闘中だという事をすぐに思いだし、慌ててプレイングを再開させた。
「え、えっと、じゃあ……この4枚全部、水文明のカードだから手札に加えるな?」
『……ったく、決闘の流れ『だけは』良いな』
俺の後ろで、アックスが俺にしか聞こえない程度の小声で呟いた。
(まぁ元々、俺にしか聞こえないんだけどね)
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