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「俺はこれでターンエンドだ」
「5マナでクリーチャーを3体も展開するなんて、さっすがじょー君に勝っただけはあるねぇ」
俺のターン終了宣言を聞いた怜衣乃は、うんうんと唸りながら頷いた。
「そいや、どうして怜衣乃は昼矢のこと知ってんだ? そんな呼び方までしてるし」
良いタイミングだと思ったので、少し前に疑問に思っていた事を思い切って聞いてみた。
すると怜衣乃は人差し指を顎に添えて、ほんの少しの間だけ考えてから話し始めてくれた。
「えーっとねぇ、昨日の話なんだけど……決闘都市に来た直後で道に迷ってた時にねー、初めて会った人がじょー君だったの」
「へぇー……。それで、道案内してもらったのか?」
怜衣乃の話の続きを想像して言ってみた。
普通に考えると、そうなると思っていたのだが……
「いやいや、完全無視喰らったよ。こっちから頑張って聞き出さなかったら、何にも教えてくれなかっただろーねー」
怜衣乃はヘラヘラと笑いつつ答えてきた。
…………昼矢が素直に教える訳ないよな。
口が悪いだけじゃなくて、あんまし友好的じゃないし。
怜衣乃の回答を聞いて思わず苦笑いした。
怜衣乃は突然───今までとは違う笑みを浮かべた。
「そんなわけで、第一印象は最悪だったんだけどね……。面白い人だなって、思ったよ。それで親しみを込めてじょー君って勝手に言ってるの」
ついでに怜衣乃は「ま、じょー君には凄い形相で拒否されたけどね」と付け足した。
ハハッ……なるほどね。
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