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ひとまず話は終わったので、決闘を再開することにした。
「よぉし、あたしのターン!」
元気よくカードを引く怜衣乃。
事前にすることを決めていたのか、ドローカードはスグに手札に加え、手札のカードを見せてきた。
「ヒロっち食らえぇっ! 呪文《DNA・スパーク》!!」
DNA・スパーク
光文明/6マナ/呪文
S・トリガー
バトルゾーンにある相手のクリーチャーをすべてタップする。
自分のシールドが2枚以下であれば、自分の山札の上から1枚目を裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加えてもよい。
相手のクリーチャーを全てをタップする呪文。
手打ちするには地味な呪文のように見えるが……
「げぇっ! マズイ!!」
今のこの状況では、俺を一気に窮地まで追い込める最高の手になっていた。
何故なら、
「《ドラヴィタ》はバトルに勝てばアンタップされるから、ヒロっちのクリーチャーを全破壊だぁ!!」
怜衣乃は《ドラヴィタ》のカードを何回も横向きと縦向きに動かした。
その度に、立体映像である《ドラヴィタ》が俺のクリーチャーを鉄拳で粉砕していく。
「ぐあぁ! せっかく展開したクリーチャーがあぁ……っ」
数秒後には、俺のバトルゾーンは裳抜けの殻となってしまった……。
「おいおい、あの海堂が圧されてるぞ」
「天佳さんスゲェ……! これがサイキック所持者同士の決闘なんだな」
「昨日といい、今日といい、熱すぎる決闘だよぉ!」
俺の高速展開に、怜衣乃は巻き返し一層。
そんな熾烈で凄まじい決闘を目の当たりにしているクラスメイト兼観客のみんなは、そう言って感嘆の声を上げていた。
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