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「相変わらず、こんな時間に徒歩で大丈夫なのかしら?」
「専用バスで登校してるエリートは良いなぁ」
憎まれ口で言ってきた光葉に、俺は羨望の声を上げた。
実は光葉は、この決闘都市で一番のエリート女子校である「聖ルチーク学園」の中等部所属なんだ。
しかも、光葉はその中等部のトップを飾っている程の凄腕デュエリストだ。
……だから当然とばかりに、一般校に通っている俺とは、優遇度がまるで違う。
光葉はここから少し歩いたバス停で、聖ルチーク生徒専用のバスに乗って登校している。
……とてつもなく羨ましい話だ。
「まぁ、アタシより登校時間が危ない人の為に、少し早く歩きましょうか」
「お前なあー……。んまぁ、ありがと」
少しトゲのある言い方ではあるが、これは光葉なりの優しさだって知ってる俺は、お礼の言葉を掛けてやった。
すると光葉は、少しだけ頬を赤らめた……気がした。
少し前を歩いているせいで、よく見えなかったから気のせいかもしれないけど。
……………。
「んでさーあのカードがー」
「そのカードなら、こんな使い方だってあるわよ?」
俺と光葉は、俺の登校路の途中にあるバス停を目指して歩きつつ、デュエマの話をしていた。
さすがはエリートのトップと言うべきか。
光葉のアドバイスはとてもタメになる。
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