132人が本棚に入れています
本棚に追加
「覚醒さえしちゃえばコッチのもんだね! 呪文を封じちゃえばS・トリガーもほっとんど機能しないからねっ!」
《ドラヴィタ》の覚醒に成功し、興奮気味の怜衣乃が《ヴァーミリオン・ドラヴィタ》を手で示しながら喋る。
確かに、その通りなんだよな……。
可能性はゼロではないとはいえ、いくら何でも低すぎる。
「ついでにあたしは《爆竜フレーム・シヴァXX》も召喚するよ! 《カーリー・ミラージュ》でドローしちゃっても良いよん♪」
「ああ、2枚引かせてもらう」
俺の手札が増えても怜衣乃は余裕のままだし、俺も焦った状態のままだ。
だがそれは当たり前の事。
このターンでケリを付けられたら、同じ事だからな……。
爆竜フレームシヴァXX
火文明/5マナ/アーマード・ドラゴン/フレイム・コマンド/5000
バトルゾーンにある自分の、コスト5以下のサイキック・クリーチャーはブロックされない。
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札を見る。その中から名前に《超次元》とある呪文を1枚選び、相手に見せてから自分の手札に加えてもよい。その後、山札をシャッフルする。
これで怜衣乃の場には、アタッカーが5体も並んでしまった。《ヴァーミリオン・ドラヴィタ》、《ハリケーントプス》、《オーフレイヤー》、《イーグル・アイニー》、《フレームシヴァ》。
W・ブレイカー持ちが3体もいる。
……これは厳しい。
けれど、まだ諦めきれない……!
限りなくゼロに近い可能性でも、それに賭けるしかない!!
俺は空いた方の拳を握り締め、自らを奮い立たせた。
最初のコメントを投稿しよう!