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「く、《クイック・ディフェンス》!?」
まさかのS・トリガーXに、怜衣乃も驚きが隠せない様だ。
だがスグに何かに気付いたらしく、フフフと笑ってきた。
「丁度良いトリガーが来て安心してミスったねヒロっち! 《カーリー・ミラージュ》に付けちゃったら、攻撃を2回防げないよ!!」
「……」
怜衣乃の説明を聞いて納得の声を上げる観客たちの中、俺はアックスと一緒に黙っていた。
それを怜衣乃は、図星による沈黙だと理解したようだ。
「へっへーん、これで勝利は頂戴だぁ! まずは《フレームシヴァ》でトドメ!!」
「……ブロッカーの《カーリー》でブロックする」
怜衣乃の命令で《フレームシヴァ》は俺の方へと一直線に突っ込んでくる。
───が、電磁製の盾を付けている《カーリー》が行く手を拒み、そして《フレームシヴァ》を水色の剣で切り裂いた。
巻き起こった実体の無い爆風を一身に受けた怜衣乃は、その手に《超次元ボルシャック・ホール》を握っていた。
これは《フレームシヴァ》の攻撃時の能力でサーチされたものだ。
……そんな事を、悠長に見られる状況じゃないんだがな。
何故なら、これで俺の場にはアンタップ状態のブロッカーがいなくなったからだ。
《クイック・ディフェンス》多数のクリーチャーの攻撃を防げる可能性があるカードだが、
その為には、わざとパワーの低いクリーチャーにクロスする事で《クイック・ディフェンス》を付け替えさせる必要があるんだ。
あえて《カーリー》に付けてしまった俺は、ブロックしても付け替えさせる事が出来ない。
「これで本当のラストだよ! あたしは《イーグル・アイニー》で、ヒロっちに攻撃いいいぃぃぃ!!」
怜衣乃は俺に向かって指差しをしながら、決闘台から身を乗り出して高々と宣言した。
そして、クチバシ突き出して迫ってくる《イーグル・アイニー》。
それを眺めながら、俺は……
───口角を上げて、笑った。
「ニンジャ・ストライク《光牙忍ソニックマル》! 《カーリー》をアンタップさせるっ!」
光牙忍ソニックマル
光文明/5マナ/ライトブリンガー/シノビ/3000
ニンジャ・ストライク4
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある自分のクリーチャーを1体アンタップする。
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